飲んでじゃってもいい歯磨き粉2013年03月28日 21:08

飲んでじゃってもいい歯磨き粉
excite.ニュース 2013年3月28日

今、興味深い技術が形になろうとしているのです。なんと、飲んでも安心な歯磨き粉用の天然抗菌剤が開発されました。その名も『ネオナイシン』。
いや、「歯磨き粉」というよりも「ジェル」なのですが……。

では、その詳細と歴史について。
「約10年前から、『九州大学農学部』とバイオテクノロジー研究者によって高精製した植物性乳酸菌由来の抗菌剤の研究が重ねられていたのですが、商品化までは辿り着きませんでした」
お答えいただいたのは、「株式会社トライフ」代表取締役の手島大輔氏。そしてこの方が開発に参加したことで、事態は好転する。ちなみに手島さんは以前、オーガニック化粧品ブランドを起ち上げた経験があるそうだ。
「私の経歴を知った研究者から、それらの抗菌剤を安全な天然保存料としてオーガニックシャンプー等に活用できないか打診を受けました。ただ、それって勿体無いんですね」(手島氏)
例えば、おからに住んでいる乳酸菌が生み出すたんぱく質「ナイシン」はバイ菌を殺してくれる。「ナイシン」はミシガン大学でも口腔癌に効果があると発表された注目の天然物質。元々おからは食べものだから、口に入れても大丈夫。これって、口腔用に使った方がいいんじゃない?  結果、無味無臭で飲んでも安心な天然の口腔用天然抗菌剤『ネオナイシン』が出来上がったわけです。

そんなこの『ネオナイシン』、実は安全な抗菌剤として食器の消毒などに活用しても効果を発揮するそうだ。ただ、やはり“口腔用”として活用していただきたい。それには、こんな背景があるという。
「高齢者や障害者、癌患者などは口腔ケアが困難。口の中の細菌が異常繁殖し、それが誤って肺に入ると誤嚥性肺炎となり、高齢者を中心に現在1日300人もの人が命を落としています」(手島氏)
市販されている口腔ケア剤は殺菌効果のあるものの、多くは石油由来の合成殺菌剤や強いアルコール、合成保存料などが含まれていて誤飲が心配。
一方ハーブエキスや乳酸菌などの自然派のものは合成殺菌剤と同等の殺菌効果はなく、清涼感は得られるが感染菌である虫歯菌や歯周病菌等の口腔内細菌には速効性がなかったりする。
「『ナオナイシン』には即効性があり、一晩くらいでしたら菌を抑えることができます。また間違って飲み込んでも胃腸の常在菌への影響もなく、下痢や胃痛の心配もありません」(手島氏)
そんな“飲んじゃってもいい歯磨き粉”を必要とする人は、数多いはずだ。要介護高齢者、重度の心身障害者、癌患者、乳幼児……。命にかかわり口内をキレイにする必要がある方で、その中でも体力が落ちて誤飲しがちな方々は『ネオナイシン』を重宝するはずである。
では、その内容量について。
「まず、大豆のおから、梅のエキス。そしてミントのオイル。あとトウモロコシ由来の増粘剤などで化学成分完全フリー。保存料も香料も含め原料は全て植物から。石油などの限られた化石原料に頼っていない、オーガニックプロダクトです」(手島氏)
もちろん、効果の程もバッチリ。従来の歯磨き粉と同等の殺菌力を有している。それでいて、何度も言うが誤飲しても安心。……これは、試してみたいな。
というわけで、特別にサンプルをお借りいたしました! どんな感じなのか、我の身体で体験してみます。

さて、手に取ると、ボトルに含まれているのは透明の液体。ほぉ~、これですか! じゃあ早速、歯ブラシに乗せます。すると、透明ジェルがブラシの上に“トロ~リ”と。これで歯を磨くと、正直泡立ちに関しては既存の歯磨き粉より劣る。というか、その点についてはあまり意識してないのだろう。
そして、驚きは味です。まず、爽快感あふれるテイストが口の中に広がる。これは、ミントの効果のはず。そして、梅の香りも心地よいのです。梅エキスが、いい仕事をしてる。
約5分後、口をゆすいでスッキリです!

では、ワンステップアップ。敢えてなのですが、わざと飲み込んでみようと思います。
いや、こういうのは人生で初の試みなので、不安は不安なのですが……。
それでは始めに、人差し指に『ネオナイシン』を乗っけます。それにしても、このトロットロ具合は新鮮だな。じゃ、いただきます。……うわぁ、スカッとする! その手のスカッとさせるガムってあるじゃないですか。その境地が、もっともっと直接的にやって来る感じ。
いや、決して推奨しているわけではないですよ? 念を押して言いますが、オススメしているのではなくて“安心”な歯磨き粉です。

そんな『ナオナイシン』配合オーラルジェルは、今年の初夏にかけての販売を予定しているとのこと。価格は、75mlで840円になる見通しだ。

「実は商品そのものだけではなく、システムに関しても革新的なものを作ってみようと考えているんです」(手島氏)
それは、端的に言うと「全国の障害者の仕事創出」だそう。産業の空洞化が進む日本では、働く意志のある地域の障害者の仕事が減り、その収入は低いという。そこで『ネオナイシン』を障害者施設に出荷し、地域の各施設が販売窓口となる、という方法をとることも考えられるそうです。
「原料の農産物の有機栽培から販売にかけてのラインに、少しずつ障害者の方が関われる仕事を増やしていきたいと考えております」(手島氏)
意義あるものにしたいからこその、この考えである。もう、全ての面で革命的です。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://yasuda.asablo.jp/blog/2013/03/28/6760678/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。